あと2ヶ月もすると桜の季節。暖かい春が待ち遠しいですね。
桜といえば、河津桜や山桜などがありますが、定番の一番人気といえば「ソメイヨシノ(染井吉野)」ではないでしょうか?
このソメイヨシノの歴史はとても浅く生まれてから150年経つかどうか・・・くらいでしょうか。江戸時代末期に染井村(ソメイムラ)という場所で生まれました。
今回はそんな日本の桜「ソメイヨシノ」の歴史を調べてみました。
ソメイヨシノの歴史
ソメイヨシノの歴史は意外と浅く、天然モノではない
毎年3月末から4月初頭にかけて美しい花を魅せてくれる「ソメイヨシノ」ですが、歴史は浅く、生れてから150年経つか経たないかのそんな桜です。
よく大河ドラマや水戸黄門などの時代劇で春のシーンがあってもソメイヨシノは登場しないことが往々です。それはその時代にはまだソメイヨシノは存在しなかったからにほかなりません。
実は、ソメイヨシノは天然モノの桜ではなく人間が品種改良して産みだした桜なのです。
ソメイヨシノの名前の由来
一説によると、ソメイヨシノは江戸時代末期に江戸郊外の「染井村」の植木屋さんで売られたのが始まりとされています。
染井村の園芸職人さんがそれまであった桜「エドヒガン(江戸彼岸)」と「オオシマザクラ(大島桜)」とを交配させ品種改良して作ったものが「ソメイヨシノ(染井吉野)」で、桜のハイブリッドといった感じでしょうか。
ソメイヨシノは有名な奈良県の吉野山に咲くヤマザクラ「吉野桜」とは縁もゆかりもありません。当時日本一の桜の名所といえば吉野山のヤマザクラだっららしく、それにあやかって「吉野桜」と命名してしまったそうな・・・。
明治には入り日本の近代化が進み、成長がとても早く手入れの簡単な、何よりも儚く美しいソメイヨシノは全国の要所要所に植えられるようになりました。
認知度が更に上がったことで「吉野桜」では吉野山の桜と混同されてしまうということから「染井村の吉野桜」略して「染井吉野」と命名されます。
全国のソメイヨシノはすべてクローン
ソメイヨシノは雄しべと雌しべで上手く交配ができないという理由から、日本全国や世界の各地にあるソメイヨシノはすべて接ぎ木などを行い人の手で増やしたものです。
したがって、現存する全国のソメイヨシノは少数のオリジナルソメイヨシノのクローンということになります。
青森県弘前公園にある日本最古のソメイヨシノ(樹齢130年)でさえオリジナルソメイヨシノではなさそうなので、今はもう第一世代は絶滅してしまったのでしょうか・・・。
ちょっぴりロマンが漂います。
クローンヒツジのドリーなんかでクローン技術が有名ですが、クローンって寿命が短いんですよね。それを植物にも当てはめてよいのかはわかりませんが、ソメイヨシノの寿命は約60年とされています。
樹齢何百年とかある中で、ソメイヨシノは短命の木ですよね。青森県弘前公園にある樹齢130年の木がいかに長命かがわかります。
あとがき
毎年春になると楽しみなソメイヨシノも、その生い立ちなどの背景を知るとまた違った愛で方ができるのではないでしょうか?
いろいろな意味で儚いからこその美しさというのでしょうか。一瞬に咲き誇り散ってゆくソメイヨシノの季節がまたやってきます。
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